過重労働者に対する措置

労働安全衛生管理:

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長時間労働者に対する措置

過重労働者に対する措置は正確には長時間労働者に対する措置です。
過重労働ってなに?でも述べましたが、過重労働といった場合、時間外労働や休日労働などの長時間労働や、出張業務や深夜勤務などの作業環境や作業条件を含む広義の意味となります。
しかし、労災認定にいたる脳・心臓疾患などの健康障害の発生を防ぐことが、その被害にあう立場の従業員、管理監督の立場にある事業所にとっても急務となっていることから、過重労働者といった場合には長時間労働者を対象とし、その措置を重点的に講じようというものになっています。


労働安全衛生法では脳・心臓疾患の発生を防ぐために、長時間労働者で疲労の蓄積が認められる場合、事業者は医師による面接指導を実施することが義務づけられています。
また最近の傾向として上記の面接指導の際には、うつ病などストレスが関係する精神疾患などの発生にも配慮することを忘れないように対策をうちましょう。




長時間労働者への面接指導実施の際の流れ(月100時間超えの場合)

長時間労働者の面接指導では一定の手続きを経て行われ、事後措置までがその作業となります。この一連の作業は義務となります。
下記にその手順を示します。


  1. 長時間労働者について衛生委員会での検討・対策
    衛生委員会の始め方・進め方でも示したとおり、長時間労働者の対策などは衛生委員会の定番の議題とし毎月話し合いましょう。

    関連法規:労度安全衛生規則 第22条第9項


  2. 時間外労働・休日労働の時間算定(月100時間超え)
    毎月1回以上、一定の期日を決めて時間の算定を行います。算定は衛生委員会で使用できるよう、その前に行うようにしましょう。

    関連法規:労度安全衛生規則 第52条の2第1、2項


  3. 産業医による促しと従業員からの申し出、面接指導の実施
    実際の作業としては100時間超えの従業員に勤務状況・疲労蓄積・その他の心身の状況を項目として備えたヘルスチェック表の記入をしてもらいます。
    そのチェック表に面接希望の確認欄を設けておき、希望した者には医師による面接を行います。
    このとき面接は医師であれば良いのですが、産業医がいる場合は産業医にお願いしましょう。
    また、ヘルスチェック表には医師のコメント欄を用意し、記入された内容に対し何かしらの意見を記入してもらい、更に医師が面談を必要と思われる従業員には、本人の希望の有無にかかわらず再度面談の促しを行います。
    面談終了後、使用したヘルスチェック表は記入した本人に返します。

    関連法規:労働安全衛生法 第66条の8第1、2項
         労度安全衛生規則 第52条の3、第52条の4
    


  4. 面接を行った医師からの意見を聞き、面接指導の結果を記録、5年間保存
    実際の作業では、面接を行った医師に意見書を作成してもらいます。
    そしてこの意見書は5年間保存しなければなりません。

    関連法規:労働安全衛生法 第66条の8第3、4項
         労度安全衛生規則 第52条の6、第52条の7
    


  5. 事後措置の実施
    意見書をもとに就業場所の変更や作業の転換、労働時間の短縮や深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、医師の意見の衛生委員会などへの報告その他の適切な措置を行わなければなりません。

    関連法規:労働安全衛生法 第66条の8第5項




長時間労働者への面接指導実施の際の流れ(月80時間超え・その他の場合)

長時間労働者の面接指導では一定の手続きを経て行われ、事後措置までがその作業となります。この一連の作業は努力義務となります。
月80時間超えの場合も月100時間超えと同じように作業を進めていけば良いのですが、面談指導や意見書などで若干の違いがあります。またその他の場合とは事業場で独自に定めた基準がある場合のことです。
下記にその手順を示します。


  1. 長時間労働者について衛生委員会での検討・対策
    衛生委員会の始め方・進め方でも示したとおり、長時間労働者の対策などは衛生委員会の定番の議題とし毎月話し合いましょう。

    関連法規:労度安全衛生規則 第22条第9項


  2. 時間外労働・休日労働の時間算定(月80時間超え・その他)
    毎月1回以上、一定の期日を決めて時間の算定を行います。算定は衛生委員会で使用できるよう、その前に行うようにしましょう。
    その他は事業場で定めた基準がある場合です。

    関連法規:労度安全衛生規則 第52条の2第2項、第52条の8第2項


  3. 従業員からの申し出、面接指導または面接指導に準ずる措置の実施
    実際の作業としては100時間超えの従業員と同様に勤務状況・疲労蓄積・その他の心身の状況を項目として備えたヘルスチェック表の記入をしてもらいます。
    そのチェック表に面接希望の確認欄を設けておき、希望した者には医師による面接を行います。
    また事業場で定めた基準がある場合は面接希望の確認は行わず即面談でも構いません。
    このとき面接は医師であれば良いのですが、産業医がいる場合は産業医にお願いしましょう。
    また、ヘルスチェック表には医師のコメント欄を用意し、記入された内容に対し何かしらの意見を記入してもらい、更に医師が面談を必要と思われる従業員には、本人の希望の有無にかかわらず再度面談の促しを行います。
    面談終了後、使用したヘルスチェック表は記入した本人に返します。

    関連法規:労働安全衛生法 第66条の9、労度安全衛生規則 第52条の8第1、3項


  4. 事後措置の実施
    意見書をもとに就業場所の変更や作業の転換、労働時間の短縮や深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、医師の意見の衛生委員会などへの報告その他の適切な措置を行わなければなりません。

    関連法規:労働安全衛生法 第66条の8第5項




長時間労働者への面接指導実施の際の流れにおける注意点

労働安全衛生法や労働安全衛生規則で定められているよりも厳しい基準で長時間労働者への面接指導を実施してしまうのが望ましいようです。
月100時間超えと月80時間超えの間では、面談の実施有無、意見書作成の必要の有無など、作業に若干の違いがあり作業を複雑化しています。
従業員の健康障害のリスクやそういった状況を作り出してしまった際の事業所のリスク、また一連の作業を担当される担当者の作業負担を考えると、ケースによって作業や判断を変えるのではなく、関連法規で定められている条件より厳しい条件で基準を統一し、長時間労働者への面接指導実施を行った方が、作業の流れがスームズになり、かつ労働安全衛生管理体制の確立に寄与するように思われます。


例えば月100時間と80時間の区別をなくし80時間以上としたり、医師の面接を行った際には区別なく意見書を必ず書いてもらい5年間保管するといったようにです。
通常月1回の産業医の訪問は3時間程度あると思われますので、1時間を衛生委員会と職場巡視に費やしたとしても2時間は面談にあてられます。8〜10名程度の面談は可能です。条件を厳しくし対象者が増えたとしても十分対応は可能でしょう。

様々なリスクを考えたとき関連法規を都合よく解釈し手間を省くのではなく、上記のようにむしろ関連法規よりも厳しい基準を設け作業を簡略化することの方が、従業員にとっては健康的な職場環境が得られ、それが事業所にとっては効率の良い生産性の確保につながるなど、利点が多いのではないでしょうか。

ちなみに、長時間労働の時間についてですが、最近では労災の適用や判例などの事例により、45時間超えを面接指導対象者とする条件が一般的になりつつあります。
脳・心臓疾患の労災認定基準の基礎になっている基準が、時間外労働時間と休日労働時間の月合計が45時間を境として判定されるようになってきているためのようです。


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