巡回健診の概略
巡回健診は医師、放射線技師、看護師、検査技師や検査助手などが、事業所にバスやトラックを持ち込み行う健康診断です。
最低でも1年に1度に頻度で事業所にて行われる定期健康診断ですが、通常は医療機関の施設にて行います。
しかし巡回健診の場合は健診スタッフを事業所に招いて行い、実施期間を数日内に定め一斉に受診させることで受診率を高めることができるととに、健診結果などが統一されるため、管理を容易にするという利点があります。
巡回健診では人間ドックなどで行う検査を始め、MRI検査やヘリカルCT検査、乳房X線撮影や子宮細胞診検査まで、基本的には全ての検査が行えます。
また、定期健康診断の他にも特殊健康診断や振動健康診断、THP、VDT健康診断などでも利用することができます。
ただし、一見万能に思える巡回健診ですが、健診スタッフの訪問、検査機材の持ち込みによって行われるため、実施には一定の条件が必要となります。
実施のための条件
巡回健診を実施するためには、健診車の駐車スペースの確保、実施スペースの確保、50名前後の受診者人数の最低3条件が必要です。
- 健診車の駐車スペースの確保
巡回健診はバスやトラックを改造した健診車を持ち込んで行います。
その大きさも検査によって違い、X線撮影を行う検査が胸部X線のみの場合はメイクロバス程度の大きさとなり、胃部のX線撮影(バリウム検査)が含まれる場合は大型バスの大きさとなります。
また駐車スペースが屋外の場合は乗用車4、5台分のスペースがあれば十分ですが、地下などの屋内になる場合は高さの心配も必要です。
更に、事業場までの道のりが健診車のとれる幅をようしている必要があります。
いずれにしても巡回健診を選択する場合は、健診機関にこの点の確認を前もってお願いした方が良いでしょう。
- 実施スペースの確保
定期健康診断の検査項目からもお分かりいただけると思いますが、内科診察や身長・体重・視力・聴力などの計測作業、採血や心電図などの検査を行います。
これらの検査を行うために事業所内にそのスペースを確保する必要があります。
全ての検査に対して個別に部屋を用意できる場合はさほど心配の必要はありませんが、大きな会議室などでほとんどの検査を行う場合は、内科診察や心電図で必要となる脱衣所の配慮も必要となります。
- 50名前後の受診者人数
健診機関にとって、医師や看護師、放射線技師などの有資格者の訪問や健診車を持ち込んでの実施となりますので、受診者数に関わらず最低でも20万円程度の経費負担となります。
1実施につき最低でも50万円程度の売り上げを見込みませんと赤字となってしまいますので、受診者が50名前後でないと実施できないわけです。
50名までいかない場合は出張料などを支払えば訪問を受けることができますが、1人当たりの健診費用が大きくなりますので、事業所として費用対効果をどの点に置くかによります。
また、料金については実施時期により違う場合がありますので、問いおあわせてみては如何でしょうか。
巡回健診を成功させるためには
巡回健診の実施にあたり一番気をつけたいのは、待ち時間の少ないスムーズな健診を目指すことです。
各検査で並ばずに受診してもらうことのみならず、検査と検査の間でスムーズな流れを考えて行うことがとても重要です。
ただし、これは早く行うことではありません。検査ごとに標準となるクオリティーがありますので、最低限必要な時間を確保しつつ行うことが必要です。
巡回健診のスタッフと綿密な打ち合わせを行い、受診者のスケジューリングを行いましょう。
下記にその検査ごとの注意点を示します。ご参考ください。
- X線撮影
例えば胃部X線撮影であれば1時間に受診できる人数は20人前後です。15分で5人程度の組を作り集合してもらうようにしましょう。
着替えがスムーズに行えるかがポイントとなります。女性の場合は金属のついていない下着に無地のシャツを着用し、ストッキング、アクセサリーは外した状態で会場に来てもらいましょう。それからワンピースも厳禁です。
男性はアクセサリーの他、ネクタイを外した状態が良いでしょう。
胸部X線もこなせる人数は違いますが、同様と考えてよいでしょう。
- 心電図検査
着替えがスムーズな健診の実施に影響を与えます。特にワンピースタイプのものは厳禁です。
- 尿検査
最近では自分の尿が人目に触れるとなどの理由から、当日の採取は嫌われる傾向があります。
前もって自己採取の容器を配り、健診当日の朝に自宅などにて採取してもらいましょう。
健診始めの受付での提出とすれば、それだけでスムーズな運びとなります。
- 内科診察
あらかじめ、ダラダラと質問することは避けるようにお知らせするとともに、他の方への配慮もお願いすることが大切です。
質問欄などを受診票に作っておき、そこに記入してもらうのもひとつの方法です。
引き続き巡回健診機関の選び方をご覧ください。
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