産業医のお仕事を思いつくまま箇条書きにしてみます。
産業医の訪問日に、作業場を巡視してもらいます。
この際に従業員にとって、作業の方法や衛生状態において有害であると思われる箇所を指摘してもらい、防止策や改善策のアドバイスを受けましょう。
アドバイスを受けた場合は、その事象ごとに予算や達成できるまでの期間が違うと思いますので、継続かつ計画的に防止策や改善策を講じるようにします。
この定期巡視は法規的に少なくとも毎月1回とその頻度が定められています。
健康診断の季節になりましたら、その結果を産業医にチェックしてもらいましょう。
その際に事業所管理となる個人結果票に就業・健康に関するコメントを記入してもらいます。
この産業医のコメントをもって事業所管理の個人結果票は法的に有効なものとなります。
この産業医によるチェックは、事業所によって行われていないケースが多いようです。必ず行いましょう。
健康診断結果のチェックによって、頻繁に顔を会わすことのない従業員の現在の健康状態や事業場の傾向を、産業医に認識してもらうことにもなります。
産業医の訪問日に、衛生委員会の開催日を合わせ参加してもらいましょう。
関連法規では非常にたくさんのことを行うように、調査や審議する項目があげられています。
しかし企業というのは通常利益を生むために日々活動をするところであり、こういった委員会活動とは対極にあると考えられています。
そのため委員会活動は疎かにされがちです。
そこで、話し合いのテーマは参加するメンバーが興味のあるもの、あるいは職場の仲間で話題になっていること持ち寄り、それを年間スケジュ−ルにし、ひとつひとつ解決する方向で議論を交わすようにします。
こうすることによって、職場の問題点や起こっている事象について産業医に理解を深めてもらい、アドバイスをもらうようにします。
普段は病気にでもならない限り訪れない、医師から医学的知識を得られるよい機会でもあります。
衛生委員会の繰り返しで産業医とメンバー、産業医と事業場の距離感は一挙に縮まることでしょう。
関連法規:労働安全衛生法 第18条第1項、労働安全衛生規則 第22条、第23条
重要な産業医の職務の中でも、近年最重要項目としてあげられるのが過重労働者の面談ではないでしょうか。
他の職務と違い、脳・心臓疾患やメンタルヘルス不全の予防的観点から、選任当初より実践的に行っていただく必要のある項目です。
以前は50名以上の事業場で義務づけられていましたが、2008年より従業員数の下限も撤廃され全ての事業場が対象となっています。
また50名未満の事業場は産業医の選任が必要ないこともあり、関連法規では面談の遂行者を産業医ではなく医師としています。
関連法規:労働安全衛生法 第66条の8第1と2項、第66条の9 労働安全衛生規則 第52条の3第1項、第52条の3第3項 など関連法規多数
以上4項目を行ってもらうことにより、職場環境の維持・改善のためのアドバイス、従業員の労働衛生教育やアドバイスなど他の職務についても、その必要性から自ずと遂行されるようになるでしょう。
メンタルヘルスに関する相談も産業医に課されているお仕事ですが、産業医とはいっても、やはりその医師の得意とされるのは普段専門職として活動している科目となります。
それと同様にメンタルヘルスの問題は、やはり心療内科や精神科の医師の得意とするところであり、他の科目のお医者さんでは対応が難しい分野です。
とりわけ人の心の問題を扱うため、長年の経験があって初めて活かされる分野ともいえます。
(産業医=心療内科あるいは精神科の医師=メンタルヘルス対策=カウンセリング、のような発想はお薦めできません。その理由は産業医の上手な選び方を引き続きご覧ください。)